注文住宅を建てるとき、水回りの間取りは重要なポイントです。水回りとは、キッチン、浴室、洗面所、トイレなど、水を使う場所のことを指します。水回りの間取りは、住み心地や快適さ、コストやメンテナンスに大きく影響します。では、注文住宅の水回りの決め方とはどのようなものでしょうか?
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水回りの間取り決めのポイント
水回りの間取り決めには、以下のようなポイントがあります。
家族構成やライフスタイルに合わせる
水回りの使い方は、家族構成やライフスタイルによって異なります。たとえば、子どもがいる家庭では、キッチンから子どもの様子が見えるようにしたり、浴室と洗面所を近くに配置したりすると便利です。
一方、夫婦だけの家庭では、キッチンとダイニングを一体化したり、浴室と洗面所を離してプライバシーを確保したりするとよいです。
動線を考える
水回りの間取り決めでは、動線も重要です。動線とは、日常生活で移動する経路のことです。たとえば、キッチンからダイニングやリビングへ、洗面所からトイレや寝室へなどです。無駄をなくすため、動線はできるだけ短くしてスムーズに移動できるようにするとよいです。
また、動線が交差しないようにすると、家族同士のぶつかりやすさや騒音も減らせます。
収納を充分に確保する
水回りでは、食器や調理器具、タオルや洗剤など、さまざまなものを収納する必要があります。収納が不足すると、物が散らかってしまったり、探す手間がかかったりします。そこで、水回りの間取り決めでは、収納を充分に確保することが大切です。
収納は使いやすい位置や高さに配置したり、扉や引き出しの開閉方法を工夫したりすると便利です。
水回りはなるべく集中させたほうがよい
水回りの間取り決めでは、水回りをなるべく集中させたほうがよいといわれています。これは以下の理由からです。
コストを抑えられる
水回りを集中させると、配管や給排水設備の工事費用を抑えられます。配管や給排水設備は長くなればなるほどコストが高くなるためです。また、配管や給排水設備が短くなれば、故障や漏水のリスクも低くなります。
メンテナンスがしやすくなる
水回りを集中させると、メンテナンスしやすいです。配管や給排水設備が短くなれば、点検や修理も簡単にできます。また、水回りが近くにあれば、掃除や片付けも楽にできます。
排水音の問題にも注意しよう
水回りの間取り決めでは、排水音の問題にも注意しましょう。排水音とは、水を流したときに発生する音です。排水音は、水回りの位置や配管の種類や太さによって変わります。排水音が大きいと、騒音やストレスの原因になります。そこで、排水音を抑えるためには以下のような対策があります。
配管を太くする
配管が太いほど、排水音は小さくなります。騒音を防ぐためにも配管の太さは、直径50mm以上が望ましいといわれています。
配管を断熱する
配管を断熱すると、排水音を遮断できます。断熱材や吸音材を配管に巻いたり、配管を壁や天井に埋め込んだりすると効果的です。
水回りの位置を工夫する
水回りの位置も排水音に影響します。たとえば、トイレや浴室を寝室やリビングから離し、階段や廊下などの共有スペースに近づけるとよいです。
水回りを2階に設置するのはNG?
注文住宅では、水回りを2階に設置する場合があります。しかし、水回りを2階に設置する場合は、以下のようなデメリットがあります。
コストが高くなる
水回りを2階に配置すると、配管工事や給排水設備の取り回しが複雑になります。このため、工事費用が増加します。また、2階に重い浴槽や洗濯機を設置する場合、床や壁の補強が必要になり、それも費用がかさみます。予算を抑えたい場合や建築コストを最小限にしたい場合は、1階に水回りを集約するのが理想です。
メンテナンスがしにくくなる
水回りの設備は定期的な点検やメンテナンスが必要ですが、2階に配置するとアクセスが制限されます。配管が長くなるため、点検や修理が難しくなり、トラブルが発生した際の対応も困難になります。安全性と利便性を考えると、メンテナンスしやすい位置に水回りを配置した方がよいでしょう。
漏水のリスクが高くなる
2階に水回りを設置すると、漏水のリスクが増加します。浴槽やシャワーからの漏水、トイレの故障などが発生した場合、1階や地下の部屋に被害が及ぶ可能性が高まります。特に、天候の悪化や地震などの災害時には、漏水被害が深刻化する可能性があります。
水回りの安全性を確保するためにも、慎重な計画が必要です。漏水のデメリットを考慮したうえで、水回りの配置を決定するのが重要です。家族のニーズやライフスタイル、予算に合わせて最適な選択を検討しましょう。
まとめ
注文住宅の水回りの決め方は、住み心地や快適さ、コストやメンテナンスなどに大きく影響します。この記事では、水回りの間取りを決める際のポイントや注意点について解説しました。家族構成やライフスタイルに合わせた動線や収納を考えたり、水回りを集中させ、排水音を抑える工夫が大切です。また、水回りを2階に設置する場合は、デメリットがあることも念頭に置いてください。
水回りの間取りを決めることは、注文住宅の醍醐味のひとつです。自分たちの理想や希望を実現するために、プロのアドバイスを参考にしながら、慎重に決めていきましょう。
01 | 耐震性能:耐震等級3(許容応力度計算) |
02 | 断熱性能:HEAT20 G2グレード以上 |
03 | 気密性能:C値 約0.6㎠/㎡以下 |
04 | 奈良県の優良工務店として建築知識ビルダーズ48号に掲載 |